2000年7月18日放送 「外国にいる親との同居について」 |
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中野先生こんばんは、今日もよろしくお願いします。 |
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はい、こんばんは。私の方こそ今日もよろしくお願いします。 |
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先生きょうは私から相談をさせて頂いてもいいですか。 |
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はい、いいですよ。シンディーさんからの相談は大歓迎ですよ。 |
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有難うございます。この話は私の友人から相談を受けたケースなの ですが。彼女は今日本人の方と結婚していて3人のお子さんがいま す。昨年永住をもらったそうです。ご主人と一緒に彼女は会社を経 営しているので、3人のお子さんの面倒はご主人のお母さんがみて くれています。しかしそのお母さんがもう75歳の高齢なので、できれ ば彼女の本国で一人で暮らしているお母さんを呼んで日本で子供 達の面倒を見てほしいと考えているようです。お母さんも日本で孫 達と一緒に暮らしたいと思っているそうです。3人の子供達は全員 日本国籍をもっています。12歳、9歳、5歳で男の子ばかりです。 彼女のお母さんは61歳だそうです。 |
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なるほどね。男の子3人だったら大変だよね。女の子なら中学生くら いになると家のお手伝いもしてくれるけれど、男の子の場合はお母 さんも大変だよね。ご主人のお母さんも高齢だしね。仕事も大事だ ものね。 |
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先生、こんなケースは難しいですよね。彼女も入管に相談に行った そうです が、お母さんが日本に来ることができるのは短期ビザしか ないよと言われたそうです。 |
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うん、確かに現在の入管規則を読む限りでは、該当する資格は見 当たらないですね。お母さんは入管法では家族ではないからね。 |
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でも先生、彼女は永住をもっているし、日本人の孫が3人もいるの ですよ。日本とのつながりはたくさんありますよ。それに本国では一 人で暮らしているのだから、日本で暮らしたいと思うのは当然です よ。最近の日本ではおばあちゃんやおじいちゃんと暮らすことは少 ないようだけど、私の国では普通はおばあちゃんやおじいちゃんと 一緒に暮らしますよ。 |
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まったく、シンディーさんの仰るとおりです。私もやっぱりおばあちゃ んといっしょには暮らしてないですね。と言っても、私の場合は母親 も「田舎でひとり、のんびりと暮らすのがいいよ」と言っていますから 今は離れて暮ら しているのですがね。。。。でも、母親がもっと年を とったらい一緒に暮らそうと思っていますよ。 |
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先生、そうですよ。お母さんと一緒に暮らすことは大切なことですよ。 子供達にお年寄りに親切にすることを教えることもできますよ。 |
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そうだね、確かに私自身が小さいときはおばあちゃんと一緒に暮ら していましたよ。子供の頃の思い出だけど、あの頃の日本人は何か 心が今よりも豊かであったような気がしますね。もっとゆったりとくら していたね。心が今よりも温かかったね。人に対する優しさというの かな、人に対する思いやりというのかな、いい時代だったと思います ね。それが何時の間にか日本人は大事なものをどこかに置き忘れ てきたのかも知れないね。シンディーさんのお国には日本人がどこ かに忘れてきてしまったものが、まだちゃんと残っているんだろうね。 |
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はい、今の日本は何かおかしいなと思いますよ。私は子供達がおば あちゃんやおじいちゃんを大切に思う気持ちをもって心が豊かになる ように育ってほしいのです。だから、彼女のお母さんのようなケース にはビザを許可して上げてほしいのですよ。中野先生なら何かいい 方法を知っているのでしょう? |
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う~ん。シンディーさんにそこまで言われるとつらいな。何とかして上 げたいね。ない知恵を搾り出しましょう。 |
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そうそう、そう来なくちゃ! 何かあるのですね? 方法は? |
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別に勿体ぶっている訳じゃないんだけど、、、、だだね、日本の入管 法は法務大臣の自由裁量に委ねられている規定が多いのですよ。 私が考えているのは「定住者」という在留資格です。これは今までも 何回も出てきましたね。シンディーさんのことだから、もうしっかり頭 の中に入っていると思いますが。。。 |
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はい、よく頭の中に入っていますよ。「法務大臣が特別の理由を考 慮して」ビザを与えるのですよね。 |
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そう、そのとおりです。定住者はインドシナ難民や、日系の人たちに 与えれれる在留資格なんだけど、シンディーさんが言われたように 法務大臣の自由裁量でもって与えることも可能なんですよね。だか ら法務大臣にその必要性を訴え、法務大臣の心を動かすことがで きれば許可をもらうことができるということですね。そのためには先 ほどから、シンディーさんが言っているような、「おじいちゃんとおば あちゃんとの同居」の問題、「一人本国で暮らすおばあちゃんの面 倒を見る必要性がある」こと、「彼女が会社経営に忙しく子供達の 面倒を見ることができない」こと等を切々と訴えればよいのです。 |
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先生、確実に許可されると断言はできないのですね。 |
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そう、自由裁量行為ですから、そこまでは断言できないですね。 |
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先生、これは手続としてはEligibilityでいくのですか |
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いいえ、彼女の方でお母さんをまず、観光ビザで呼んで上げるのです。 そしてそのあと、日本に居ながら定住者への在留資格変更をし ます。 |
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先生、許可される確率はどうですか。 |
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許可されるかどうかは、人によって事情が様々ですから、なんとも 言いにくいですね。このケースでは私なら、日本への定着性が十分あ ると言う点を訴えると思います。許可には3ヶ月位かかると思います。 |
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分かりました。何とか許可されることを祈っています。先生、有難う ございました。 |
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私の方こそ |